美品で完動品　ナショナル　吠えろクーガ　RF-888

これ迄何度か此方でコスパ最高のラジオの一台として紹介させて頂いているモデルです。60年代末から70年代初めにソニーとナショナルは3バンドポータブルラジオの盟主の地位を争って次々と画期的な製品を市場に投入、日本ではBCLブームの前にラジオのブームが起こります。ソニーがスカイセンサー5500で縦型、BCLラジオの嚆矢を放ちますが、ナショナルはBCL特化はせず、代わりに音と感度を極限まで追求した本モデルを市場に投入して大ヒットを記録します。但し、時代の趨勢はBCLラジオに移行しつつあり、ナショナルはこのモデルの後にミリタリールックのクーガ7で再度ヒットを記録するものの、大ベストセラーの地位はBCLに特化したスカイセンサー5800に奪われてしまいます。このモデルにお話を戻せば、当時としてはポータブルラジオとしては最大級の16cmスピーカー、2.6Wという大出力が売りでした。発売当時も、更に現在でもラジオとしては最も大音量を破綻なくアウトプット出来る一台だと思います。デザインも大口径スピーカーを前面の中心に配し、肩からキャリングベルトで吊り下げても操作し易い様に主要な操作部をトップパネルに纏めたポータブル用途を良く考慮した物で、アウトドアでキャンプを楽しんだりする際の友としてはお勧めできます。防水では有りませんが丈夫な構造で結構ヘビーユースにも対応できるはずです。更に耐久性も高く此れから先10〜20年位は充分使える筈です。此方での自分の出品履歴を見てみると今回で6台目でした。この個体はトップパネルのシルバー部が掠れて居たり、バンド切替が出来ず、SW受信が出来ない、ボリューム類にガリが有る、と言う状態でしたが、内外整備して現状は全く問題ありません。シルバー部はスプレーを吹いて綺麗に元の状態に戻しています。音は、ポータブルラジオとしては一級品で有る事は間違いありませんが、スピーカー口径から想像されるワイドレンジのハイファイではなく、現代の感覚では特に低音のレンジが足りない様に思います。過去6台扱ったのに完品は無く、タイマーが動作不良、アンテナ交換など多少の瑕が有り、意外にも今回完品としては初めての出品でした。単一電池4本、ACコード付。此処までの状態の物は少ないので価格はそれなりです。